ちいきの木の家具製作所 所長 タケヤです。
一枚板のテーブルや、大きな丸太は何百年生と言われ重宝されることがあります。
それは「天然木」と称され、人の手が入っていない地域に生息し「天然林」で育つことも多くあります。
今回研修で訪れた「奈良県吉野」には、まぎれもない歴史の証人と名付けられた場所があり、
そこには400年生の人工林。
すなわち、400年前の日本人が管理運営するために植え、育てた杉林がありました。
それは、人の手が入った「人工木」とでも言いましょうか。
しかし、人工とは言い難い紛れもなく自然の力を感じました。
同行した、家具職人の福永君に私から言いました。
「天然木も感じることがあるけれど、人工林でこれだけの歴史があるとまた感じ方が違うよね。」
福永君は
「人工林、このような木には浪漫を感じる、天然木には生命を感じる」
まさに、その通りだと強く感じました。
私たちの扱う杉やヒノキは、時に天然木、人工林から出た材と両方扱っています。
以前、福永君から木と対話して製作にかかると話を聞いた時は、しびれました。
どこに癖がある、木目は、どの部分に使う。
木材から声を聞き、適材適所になるように気遣いながら材料を選定していく。
福永君だからこそ聞けた、素敵な言葉でした。
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大きな木を育てるには、間伐をしなければいけません。
育ちの良いものを残し、そうでないものは伐採され出材される。
出材に至らないものは、その場で切り捨てられる。
400年生の人工林の隣には、墓標のように間伐された杉が残された林もありました。
歴史を感じながら、携わってきた人々を想いました。
しっかりと管理された山。
私がやらなければいけないことのヒントが詰まっていました。