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ウッドショックのこと

坂です。

業界大激震のウッドショックについて僕なりの見解を書いてみたいと思います。

まず、ことの発端は次に挙げる2つのことが要因となっています。

①北米と中国での住宅建築需要の高まり

②物流コンテナの滞留

どちらの要因も基本的には新型コロナウイルスの影響を受けてのことです。

ウッドショックと言われる、木材価格の上昇(現在のところは1割から2割程度の上昇率)についてはこれが初めてではなく、過去にも2回、ウッドショックが起こっています。

第一次ウッドショック(1992年〜1993年)はマレーシアでの木材伐規制と北米での環境問題による木材伐採の規制によるもので、これにより欧州材がその代替え材として輸入されるようになりました。

第二次ウッドショック(2006年頃)は新興国や中国での木材需要の高まりによるものでした。

そして、今回のウッドショックは第三次ということになります。

いつの時代も国外の影響を受けているのに、過去に2度起こったウッドショックの時にいつか来る同様な事由に対して備えをしてこなかったことも、今回、第三次ウッドショックを引き起こしてしまった理由の一つだと思います。

”喉元過ぎれば熱さを忘れる”

現在もまさに業界で起こっていることは、普段、国産材の使用をしていない大手ハウスメーカーやビルダーが輸入材不足の解消の為だけに一時的に国産材に目を向けていることです。

ただ、彼らはウッドショックによって国産材、地域材を輸入材の代替えとして考えているだけなので、この問題が過ぎ去り、輸入材の価格が安定化してきたら、また安価な輸入材へ戻ってしまうことは予測されます。

ただ、大手ビルダーの中にも国産材活用に大きくシフト変更した会社もありますので、国産材需要の高まりについては、今後の動向を注目する必要はあると思います。

結局のところ、外需に影響された輸入材不足とそれによる使用木材の変更の繰り返しが度重なるウッドショックを引き起こす原因の一端を担っていることは明らかです。

木材業界では、今回のウッドショックを持続可能な国産材流通確立の機会にするためにいろんな立場の人がいろんな所でいろんな議論を重ねています。

”ウッドショック”とGoogle検索すればSNS、ブログ、YouTubeなどで木材業界の人、建築業界の人、各種メディアが発信している情報をたくさん見ることができます。

ウッドショックの最中、住まい作りに国産材(地域材)を活用していて、川上(山側)としっかりとした流通の連携がとれている工務店はそれほど大きな影響が出ていないとも感じます。

理由は、ほぼ全ての製材工場やプレカット工場が基本的なスタンスとして”今までずっとお付き合いしている工務店を優先に対応をしていきます”と明確に打ちだしているからです。

言い換えると”価格ではなく、信頼関係を優先します”と言っているのです。

川上(山側)から川下(町)への国産材(地域材)の流通は強い信頼関係で成り立っているこが、明白になったということです。

川下(町)にある工務店が、地域のこと、山のこと、環境のことを真剣に考え、ずっと取り組んできた”国産材(地域材)を選択するということ”がウッドショック禍で強みになってきました。

そして長きにわたり築き上げてきた川上(山側)との信頼関係が今回のウッドショックも乗り越えていくに違いないと思います。

日本にはこんな身近に山があり、木々があり、常に木を切り活用する必要があると言われているのになぜこのようなことが起こるのかと不思議に思う方もいるのではないでしょうか?

そのように思われる方もたくさんいらっしゃると思います。

残念ながら、まだ日本では今回のウッドショックに影響を受けないだけの国産材流通が確立されておりません。

安価な輸入材の増加によって低迷してしまった木材価格により、その流通が成り立たない産地が多く、価値が下がり、林道の整備もできていないのが現状なのです。

*定期的に開催している地域の山見学イベントでは実際に亀山市加太の山をご案内しています。

では最後に私たち、三栄林産グループ、住まいと暮らしの設計室の状況をご説明させていただきます。

会社は地域材を原木から仕入れて、自社製材していますので今回のウッドショックによる大きな影響は現在のところありません。

*自社製材工場のオンライン見学はこちらから

しかし原木市場では木材の価格が上昇していますので、今後も注視していく必要はあります。

また、これから基本的には”木を切らない季節”になりますので、ウッドショックの影響が長引けば、川上(山側)にも大きな影響を及ぼす可能性も否定できません。

そういえば、ウッドショック以外にも私たちには苦難を乗り越えてきた歴史があります。

リーマンショックや東北大震災など幾度となく訪れた苦難を私たちは乗り越えてきた歴史があるので、第三次ウッドショックもきっと乗り越えていくと思います。

今回のウッドショックは持続可能な国産材(地域材)の流通について真剣に議論し、外需に大きく左右されない木材市場をつくっていく良いきっかけになったと思っています。

今一度、自分たちの身近にある国産材、地域材、三重の木に目を向け、その価値を見直してほしいと思います。

私たちもたくさんの方に地域材の価値をしっかりとお伝えしていくことをお約束いたします

三栄林産株式会社 建築事業部

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