坂です。
屋久島へ地域材での地域活性化の取り組みを学びに
2泊3日の旅に出かけてきました。
屋久島空港に到着後、早速、
トビウオのランチを食し、
白谷雲水峡を散策。
完全に観光旅行者気分。
まずは屋久島のことを知る事が大事ですよね。
二日目からはいよいよ本番。
屋久島では現在、地杉での屋久島庁舎を建設しています。
地杉とは、屋久島で育った植林杉の事で、この活用については日本全国の課題といってもいいと思います。
今回、屋久島では、その一つの解決方法として、地杉を活用して公共建築物を建築し、
屋久島、地元製材所などと共同で会社を設立して内装材の生産販売を始めることにしました。
屋久島庁舎の建築現場で関心したことは、現実的なサイズの杉材で構造が組まれていた事です。
庁舎クラスの大きな建築物だとどうしても集成材やCLTに頼りがちですが、ここでは平屋部分の建物は全て住宅建築でも使用しているような
サイズの杉材で構造材が組んでありました。
これを実現する為には、地元の木材を活用するんだという、地元行政の英断がどうしても必要です。
地元木材を急にたくさん集めることは、不可能に近いです。
早い段階(2〜3年)からおおよその部材を特定し、地元林業家や製材所に対して、木材を分離発注しないといけません。
年度予算が基本となっている行政において、長いスパンで、木材を分離発注して、材料を確保していくのは本当に高いハードルがあるのです。
これを実現している屋久島には地元の木材とその産業を愛する本当に熱い気持ちの方がいらっしゃるのだと感じました。
内装材の工場は現在、庁舎用の製品を製造していましたが、
近い将来、屋久島というブランドを生かして内装材を県外へ販売する予定だそうです。
屋久島の杉には大きな特徴があります。
①その自然環境から真っ直ぐ伸びにくい(台風の多さ、島ならではの風の強さ)
②内地材と比較して高くならない(高くなると風の影響を受けやすいので、高くならないように進化したと思われる)
③黒芯が多い(屋久島特有の土壌が要因)
この特徴の中ではやはり③の黒芯が多いことが、内装材として使用されるときの大きなメリットです。
①と②はどちらかと言うとデメリットですが、屋久島というブランド力でカバーできると思います。
③がメリットになる意味は、黒芯は杉特有のリラックス効果や空気浄化作用のもたらす成分を多く含んでいるのです。
内装材として使用することで、健康的で快適な空間を作ることができるのです。
商品化が本当に待ち遠しいです。
地元の製材所では屋久杉の土埋木を台車で製材していました。
土埋木とは土に埋もれていた屋久杉のことです。
今回の視察で、地元、三重の木を愛する私にとっては、
ぜひこの取り組みをノッティーハウスリビングがある亀山市加太のかぶと材で実現したいと改めて強く感じました。
今回の視察では屋久島の人々、全国からこの視察に訪れた建築関係者の方など多くの素晴らしい人に出会うこともできました。
本当に有意義な視察でした。